骨折するということ〜始まりのとき〜
肋骨を骨折するということ。
久しぶりに行った整形外科が、リニューアルしていたのを知るということ。
胸式呼吸から腹式呼吸を心がけるようになるということ。
お腹に力が入れられないから、お腹がぽっこり出てくるということ。
トイレも大変だということ。
バストバンドで締め付けるから、ただでさえ小さな胸が常に押しつぶされ、
胸が“自分はお腹の肉、背中の肉だと勘違いし始める”ということ。
ついでに、胸筋もなくなるからどんどん胸板が薄くなるということ。
横になるとき、起き上がるとき、無傷な方限定で寝返りをうつとき、
どこまで痛みを感じずに達成できるか、小さな戦いがあるということ。
うつ伏せになれないということ。
家族とは別室で寝るようになるということ。
(家族で川の字に寝ていたら死にかけた。)
思い切り笑えないということ。
くしゃみを吸い込む技を得るということ。
ただただ体力が落ちるのが不安という思いから、
腹筋使わず、腕も振らない“足の前後運動”で散歩をするようになるということ。
自粛太りならぬ、安静太りと戦うということ。
肋骨を骨折するということ。
全身お湯に浸かれるので、他の骨折に比べると入浴が楽だということ。
実は二本折れていたことが判明したけど、
同時進行ならもう本数なんて関係ないと思えるということ。
職場の人の優しさを感じるということ。
病院の人たちの優しさも知るということ。
家族が率先して動いてくれるようになるということ。
夫さんの洗濯干しが上手になるということ。
肋骨を骨折するということ。
骨折した時の骨の回復の仕方を知るということ。
自分のわがままと愚かさを知るということ。
次は気をつけようと成長させてくれるということ。
ますますMTBへの愛が高まるということ。
もっと丁寧に乗ろうと気づかせてくれるということ。
日常や、MTBに乗れることにもっと感謝しようと思わせてくれるということ。
優しい心を取り戻し、人に優しくなれるということ。
自分をまた成長させてくれるということ。
気づかせてくれて、
教えてくれて、
ありがとう。